けれど、キミはあいしてくれない | |||||
愛しくて、愛しくて、気が狂いそう。 いつでも、どんなことがあろうとも、一緒にいたくて仕方ない。 でも君はオレがいなくても全然笑っていたし、しかもオレしか知らないと思っていた笑顔を他の奴にも向けるし、オレと話すようなことを他の奴とも話すのだろう。 それに、きっとオレすら知らない黒子っちの高校生活を、あいつは知っているのだろう…。 「……黒子っち…」 …もう、駄目だ。 今までずっと、ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっと君にだけは特別優しく接してきた。 オレの特別は、黒子っちだけ。 けど、君はそのオレの気持ちと、信頼をいとも簡単に踏みにじった。 ずっとオレを特別に見てくれてると思っていた君は他の誰かにとっても普通に存在していたのだ。君はオレに対しても他の奴に対してもなんら変わらない“黒子テツヤ”を見せていたのだ。 つまりオレは君にとって特別でも何でもなかったと言うこと… ―――こんなにオレは君の事を愛してるのに、君はオレの事を、 アイ シテハ、 クレテナカッタ……… …もしかしたら、オレと火神だけかとも思ったが、それならもっと許せなかった。 オレだけでいい。オレだけ黒子っちの笑顔を見てればそれでいい。 黒子っちと言う存在を見て、感じて、触れるのはオレだけでいい。 あいつには渡さない。あいつは絶対に消してやる。 「…もう、許してなんか、あげれないよ…」 オレはそのままマジバから離れて黒子っちの帰路にある小さな公園に移動した。 ちらほら遊ぶ子供を見かける程度のごくごく小さな公園は、部活終わりの夕方も終盤に差し掛かったような時間である今はオレ以外の影は何処にも見当たらない。 そこの錆びれたブランコに腰かけて、黒子っちを待った。 そして、オレがいるのに気付かずに公園前を通っている黒子っちが見えたから、すぐさま駆け寄った。 「黒子っち!」 「え、黄瀬君?今日はモデルの仕事なんじゃぁ…」 「それならもう終わったっス!早く黒子っちに会いたくて頑張って終わらせたんだ〜!」 「別にそんなしなくても…。大体僕に会うためとか、どんな理由ですか…。」 呆れたようにため息を付いてみせる黒子っち。 (それって、オレの気持ちを軽視してて出るため息っスか?) (それとも気付こうとも、してくれないの?) 「…ううん。まぁ、いいや。それより、オレが黒子っち迎えにいっちゃおうとしたら、火神っちと二人で楽しそうに話してるんだもん。オレびっくりしたっスよ? ……ねぇ、そんなに火神とのデートは楽しかった?」 「は…?」 問われた意味が分からずに呆けてる黒子っちの鳩尾に、一発。 我ながら綺麗に食らわせれたと思う。 「ひぐっ…っ!!!」 そのまま黒子っちは気を失って、オレの方に倒れて来たからしっかりとキャッチして、そのままお姫様だっこして歩き出した。 向かう先は、オレの家。 結構高級なマンションの最上階に位置するここは、絶好の“檻”だった。 家に着いたらまずは黒子っちをお風呂に入れてあげよう。火神なんかに触らせた所を消毒しないと。 そしてもう二度とこんな間違いを起こさないようにまずは縛って閉じ込めて教えてあげよう。 どれだけ、オレが君を愛してるのか。 そして、そんなオレを、愛してくれなかった事が、どれ程の罪であったのか。 「…これで、晴れて恋人同士だね、黒子っち?」 オレは、笑っていた。 to be continued ... |
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